表 1 毒蛇咬傷時特にハブ、ヒメハブ及びマムシについて
(特にその毒性因子と毒作用)
沢井 芳男
ハブ毒の特性は強い腫れと毛細血管の破綻による出血とそれに伴う筋肉の壊死。
死因は急性の循環障害によるショックが多い。
1、腫脹を起こす因子
2、HRー1(出血因子)
HRー2(出血因子)
3、蛋白分解酵素(筋壊死)
ホスホーリパーゼA2 (筋壊死)
4、他
ヒメハブ毒は毒性が弱く、筋壊死の心配もない。
抗毒素の注射の必要は無く、血清は製造していない。
*症状が極めて強い場合はハブ毒抗毒素を代用している。
マムシ毒はハブに比べると毒性が強い割には致命率がひくく、壊死が起こりにくい。
腫脹と皮下出血である。時に急性の循環障害やリンパ管炎をおこす。
死因は1週間前後の急性腎不全が多い。
1、出血因子1は致死性が強く、蛋白分解酵素作用を示す。
出血因子2
2、神経毒性因子
ハブ類及びマムシの毒性の比
1回の排毒量(乾燥量) 最小致死量(マウス腹腔内注射)
ハブ 300mg 1mg
ヒメハブ 30mg 10mg
マムシ 15mg 0・03mg